第54回「面倒がらずに良かった!(前編)」
先日、保木間にお住まいの60歳代の女性の方が「歯が痛い」と来院されました。
詳しく検査したところ、以前治療したという歯の周りの骨が感染を起こしていました。残念ながら治療法としては抜歯以外にはありません。
説明すると「残せないのならすぐに抜いてください。簡単なんでしょ。」という言葉が返ってきました。
この方だけでなく多くの患者さんは「歯科処置でも死の危険が伴う」とはほとんど考えていません。もちろん私たちは万全の体制で臨みます。診療技術も進歩し、安全性は確かに高くなって来ました。
しかし「100%安全!」とは言い切れません。手術には局所麻酔薬という劇薬を使用します。これが内科などで出してもらっている薬(患者さんは弱い薬だと言いますが)と相互作用を起こしてショック死を招いたり、止血できなくなったりする事もあります。
口の中にも体同様に神経や血管が存在します。ここは手術だということをもう一度念頭に置いて歯科治療を受けてください。(続く)
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