「1,296件」この数字、一体何だと思われますか?
実はこれ、平成18年に報告義務対象医療機関から報告があった「医療事故件数」です。
そのうち、「152件」が死亡事故。
「えっ、医療事故ってそんなに多いの。」そう思われるかもしれません。
しかし、これはあくまでも報告義務対象医療機関の報告です。全ての医療機関に報告義務が発生したら、更に多くなると思われます。
では、歯科治療中に発生する死亡事故はあると思いますか。
「歯科治療で死ぬことってあるの?」
「残念ながら、歯科治療中の死亡事故も発生しているという報告があります。」
「歯科治療でも、『危険なこと』があるんだ。」
一般歯科でも局所麻酔をする場合は、麻酔薬が劇薬なために更に危険性は増します。
局所麻酔薬による重篤な「アナフィラキシーショック」を引き起こした場合、状態は秒単位で刻々と変化していき、早期に対応しないと死に至ってしまう場合があります。
安全管理の基本はモニタリングです。モニタリングは術前、術中、術後の「血圧」「脈拍」「血中酸素飽和度(SpO2)」を継続的に測定するものです。
局所麻酔を伴う処置であれば全症例で使用するのが原則です。もはや、モニタリングなしでの歯科治療は、医療法の求める「医療安全管理」「標準的な医療水準」を満たしていないことになります。
なぜならば、モニタリングが、治療に伴う循環器(生体)の変化を単に測定するだけでなく、危険を早期に察知し、適切な対応を可能にしてくれるからです。
私たちは、更に医療用コンピューターソフトを利用して、ちょっとした循環器の変化も見逃さないような「医療安全管理システム」を取り入れています。
また、万が一という時に備えて、救急蘇生対応の高次医療機関と協力関係を構築しておりますので、どうぞ安心して歯科治療をお受け下さい。
[資料1]2007-07-18 (財)日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」報告書
[資料2]2007-02-10 日本歯科医師会雑誌2月号 「日本歯科医師会歯科医療安全対策委員会」報告書
[資料3]アナフィラキシー対策フォーラム