第102回 「指しゃぶり」(前編)
島根町にお住まいの5歳の女の子を連れて、お母様が「この子の歯並びを治したいんですけど・・・。」と来院されました。
そこで、精密検査を行ったところ、指しゃぶりが原因で起こった不正咬合と診断されました。
霊長類は胎児の頃から指しゃぶりをします。これは出生後に母乳を飲むために乳首を吸う練習なのです。
つまり、指しゃぶりは生きるために必要不可欠な行為でもあります。おっぱいを飲んでいる間は生理的に行われる事が多いのですが、離乳が始まり、ご飯を食べるための咀嚼運動が始まると指しゃぶりはしなくなるのが一般的です。
しかし、次の二つの原因から止められない場合があります。
一つ目は、食べるための運動神経系や咀嚼機能の獲得のための学習に問題がある場合です。
二つ目は、心理的な要因、ストレスです。指しゃぶりにはストレスを鎮静する効果があります。
今回は、このストレスに大きな原因があるのではないかと判断しました。その根拠は・・・。後編へ続く
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