放夢新聞 知って得する歯の話 第一回「虫歯って何?」
[第973号 平成22年11月29日発行]
私は、東京都足立区で「予防歯科」をメインに歯科医院を開業しています。最近、良く目にする「予防歯科」。しかし、本当に理解している人はまだ少ないようです。今回の連載にあたっては、歯に関する悩みや疑問を解決していきたいと考えています。きっと得する話もあるはずです。
「歯の病気」「歯の治療」「予防歯科」「小児歯科」皆さんが知っている歯のうわさ話も真実が明らかになるのでは・・・。
さて、あなたは「虫歯って何?」と質問されたら、何と答えますか?「歯が黒くなる、穴が開く、痛い・・・。」確かにそうです。間違いありません。しかし、これらは全て虫歯の後遺症に過ぎません。
虫歯は、感染症です。「バイオフィルム感染症」という病気です。では虫歯の原因菌は、いつ、誰から、どのようにして移るのでしょうか?一般的に、幼少期(2歳から4歳)乳歯列が完成する時期に、お母さん(保育者)の虫歯菌が、離乳食を与えるスプーンや箸から感染し定着します。母子感染です。一度、定着した虫歯菌は歯がある限り一生、住み続けます。虫歯菌の多いお母さんの子供が、同様に虫歯菌を多量に保有しているのはこのためです。
では、感染を防ぐ方法はないのでしょうか?あります。簡単です。お母さんの虫歯菌を減らしてあげればいいのです。
まず、お母さんの虫歯のリスクを検査し、その結果に基づいた予防プログラムを立て、実行(キシリトールやフッ化物の応用など)するだけで虫歯菌を激減させることができるのです。これは、母子感染予防だけの話ではありません。虫歯治療にも言えること。
虫歯治療で最初に行うべき事は、歯を削ったり詰めたりすることではありません。二度と、虫歯にならない口腔内の環境を作ることです。
なぜなら、環境が変わらない限り、何回でも虫歯になります。そして、治療を繰り返す度に、更に悪くなり、最後は抜歯せざるを得なくなります。そうならないために必要なもの。それが「予防歯科」なのです。
今後、読者に限らず、皆さんの口腔内ケアの一助になる情報発信ができれば嬉しい限りです。
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