放夢新聞 知って得する歯の話 第二回「歯周病って何?」
[第974号 平成22年12月6日発行]
第一回では、「虫歯」の話をさせていただきましたが、日本人が歯を失う原因の約九割が虫歯と歯周病です。では、この「歯周病」、どのような病気だと思いますか?
『口が臭い』
『歯ぐきから血が出る』
『歯がグラグラする』
『食事中に歯が痛い』
確かに重症になれば、そのような症状が出てきます。しかし、恐ろしいのは、初期や中期では、ほとんどの場合、これらの症状はありません。
実は、この歯周病も虫歯と同じく「バイオフィルム感染症」です。またしても人から人へと感染する病気です。感染源はパートナー(夫婦など)や両親がほとんどです。キスをする、同じ食器を使うなど、長い時間をかけて感染します。もしも、喫煙していれば、発症のリスクは、更に高くなります。
また、歯周病菌単独では薬剤も効果的なのですが、厄介な事に口の中では、歯周病菌は単独ではいないということです。バイオフィルムの一員になってしまうのです。
では、一体、「バイオフィルム」とは何なのでしょうか?700種類ほどの細菌や微生物の集合体で、お互いが手と手を取り合い強刃なバリアを作り、薬剤などほとんど効かない状況を作り出しています。歯周病菌に薬剤が効かないのはこのためです。
では、歯周病は予防できないのでしょうか?
できます。しかし、大切なポイントが3つあります。
(1) 専門の医療機関で自分の状況を把握すること。(二十歳以上)
(2) 処置が必要であれば必ず処置を受けること。
(3) これが最も大切です。3ヶ月から4カ月に一回のペースで必ず定期管理を受けること。
なぜならば、現在、最も効果的なバイオフルムの除去は、機械的破壊です。
日常での正しいブラッシング(歯磨き)で歯肉縁上のバイオフィルムを破壊します。そして、歯肉縁下のバイオフィルムは、専門機関の歯科衛生士によるPMTCで破壊します。破壊というと痛いというイメージがありますが、実際は気持ちよくて眠ってしまう人もいるくらいです。これら方法で、健康な歯は、100%守れます。
「予防歯科」とは、虫歯や歯周病にならないように、あなたと医院が力を合わせて幸せを手に入れる場所なのです。
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