放夢新聞 知って得する歯の話 第八回「歯の治療(3)」
[第981号 平成23年1月31日発行]
歯の治療も最終段階に掛かってきました。歯を抜いてしまうと、どのようなことが起きるのでしょうか?当然食べ物が食べづらくなります。噛み合わせが悪いということですね。それを補うために前回の補綴(ほてつ)でブリッジをすることがあります。このブリッジは失った歯のために、両脇の歯と歯にブリッジ(橋)を渡して歯があるように補ってあげることなのです。
と言うことは、両脇の歯が健康であっても、削られたりかぶせ物をされたりすることになります。
ブリッジを渡したことによって、失った歯のために、両脇の歯が食べ物を噛んだとき、必要以上に力が働いてしまいます。そのため、両脇の歯は次第に力尽きてしまうこともあります。
非常に時間と費用、そして何よりも、食事をすることに不便を感じることが多いものです。
では歯を失った場合どうすればいいというのでしょう。
現時点では、インプラントが良いのではないかと考えます。インプラントと言うと高価なイメージを持っていらっしゃる方も多いと思います。
確かにインプラントは保険外診療(自費診療)のため、ブリッジなどの保険治療に比べると高価になります。インプラントについては次号で詳しくお話ししていきます。
さて、歯を失ってしまうとどのようなことが起きてくるのでしょうか?
前述したようにブリッジによる隣接の歯の話しもありますが、抜歯した後、何もせずにそのままの方もいらっしゃると思います。その時の口の中の状態、その後の影響についてお話します。
歯を失うと、その場所の両隣の歯と、噛み合わせの歯に大きな影響を及ぼします。
まずは両隣の歯です。両隣の歯はなくなった歯の隙間に向かって少しずつ少しずつ傾いていきます。隣に歯がないのだから当然ですよね。そうしてこの歯は徐々に弱ってきて、歯自体に虫歯がなくても歯根にダメージを与えることになります。
次に失った歯と噛みあわせるはずの歯はどうなるのでしょうか。食事のときに噛み合わせの相手の歯がないということです。この場合食事で噛み合わせない状態が続きます。その影響としては、相手とかもうとして、歯が挺出してしまいます。このような不正咬合が起きてしまい歯槽骨を破壊する場合もあるのです。
私たちは食べ物を口で噛んで飲み込みます。食べ物をちゃんと噛み砕けることは、健康の第一歩です。
次号ではインプラントや入れ歯について話していきますが、ここまでお付き合い頂いている読者の皆さんには、もう一度ご自分の口の中の環境を確認して頂きたいと思います。正しく咀嚼できる歯の状態が、皆さんの今日、明日、これから生涯に渡る健康の基礎となります。
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