放夢新聞 知って得する歯の話 第十二回「予防歯科(2)」
[第985号 平成23年2月28日発行]
予防歯科と言っても、何をどうするのでしょうか?今までも「虫歯は感染症だから感染しないように、定期管理を受けましょう」と言ってきました。ただこれは、口の中の環境がある程度わかっている方の話しになります。
予防歯科の流れをお話しします。
- 予診表の記入
- 予診インタビュー
この二つで口の中の悩みや食生活、歯磨きの回数などの基本情報と、今後の治療へ向けて、治療の希望などをお聞きします。 - 検査
検査は口の中の今の状態を視診で確認し記録に残します。レントゲン検査、歯周病検査、口の中の状況や状態の写真撮影をし、唾液検査であなたの虫歯の原因・リスクを調べます。 - カウンセリング
これまでの検査結果を基に、今後の治療計画・予防計画を立てます。私たちはコミュニケーションをとても大切に考えていますので、こういった時間を惜しまず使うようにしています。
ここまでで二週間ほど掛ります。細菌検査の培養に時間が掛かるからです。 - 治療
治療と言ってもまずはブラッシング指導や、スケーリング(歯石除去)を行ないます。ブラッシング指導ですが、正しい歯磨きのフォームをまずはマスターする必要があるのです。ゴルフのようなスポーツも、初期段階で正しいフォームを学ぶことが重要ですよね。
ブラッシングも正しいフォームを身に付ける必要があります。
ここから初めて虫歯を治療したり、患者さんに合わせた治療を行っていきます。初診から三ヶ月ほどかかる場合があります。
早く治療して欲しいと患者さんは思われているかもしれません。
しかし、この初期治療が虫歯や歯周病にならない口の中の環境を作る大事な基礎になります。歯科治療で最も大切な治療だと考えます。 - 定期管理
虫歯や歯周病になりにくい環境にしてから治療をしていきますので、治療が終わる頃には、すっかり口の中は良い環境に変わっています。これが定期管理をする上で重要なのです。定期管理は、家で行うホームケアと、個人差はありますが、三ヶ月に一度行うプロフェッショナルケアが必要になります。
これは普段のホームケアでは落としきれない歯周病の原因のバイオフィルムを機械的に除去します。
口の中の環境(虫歯や歯周病など)は個人差があります。また検査の結果、治療方法、内容にも個人差はあります。しかし、定期管理の段階まで行くと、ほとんどの方は同じ定期管理方法をするだけになります。
ここからは虫歯や歯周病にならない口の環境こそ予防歯科になっていくのです。
口の中の環境を良くし、今ある歯を健康に保ちましょう。
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