足立区の歯医者 前田歯科医院 メディア掲載

放夢新聞 知って得する歯の話 第十六回「免疫力」
[第989号 平成23年3月28日発行]

前田歯科医院 院長 前田 亨東北関東大地震により被害を受けられた皆さまに心からお見舞い申し上げます。東京でも相当の揺れを感じ、当院でも患者さん、スタッフの動揺はなかなか治まりませんでした。まだ余震が続き、食糧やガソリンを求めて多くの方が右往左往する混乱を招いています。ここは心静かに、自然の摂理と向き合い、出来る事を一つずつしていこうと思っています。

私の出来ることは、やはり歯科医師である以上、皆さんの歯の健康を守ることです。そこで今回は、被災した皆さんのため、それ以外の方でもぜひ覚えておいて欲しい内容をお話しします。

それは「唾液の力」です。唾液には色々な効果があることは以前にもお話しした事があります。

被災され、避難所生活が続いている方も多くいらっしゃいます。おそらく食事もままならない状態が続いていることが容易に推測されます。

避難所生活が続き、食事が取れなくなると病気にもなりやすくなります。本来なら食べ物を噛むと唾液が出てきますが、食事ができなかったり、わずかな量しかないと唾液の分泌が極度に少なくなります。それが病気になりやすくなる一因にもなってしまいます。

唾液には口の中の粘膜を保護したり、抗菌作用、消化作用、自浄作用があります。もちろん虫歯の予防、歯の再石灰化もしてくれます。

このような作用は身体の「免疫力」を高め、病気になりにくい身体を作ってくれます。

戦中戦後に捕虜となった人たちは食事を制限されているため、一回の食事はよく噛んで満腹感を得ようとしていました。食べ物をよく噛むとそれだけで多くの唾液を分泌します。また小石を飴の代わりしゃぶって唾液をだしていたそうです。その結果、捕虜になった人たちのほとんどは歯が丈夫で、健康状態も決して悪くないという史実があるくらいです。

このことは全ての方が対象になります。食事はよく噛んで、唾液もよく出して、身体に良い食習慣を身に付けて頂きたいと思っています。

被災されている皆さんがすぐに笑顔になれる状態ではないと思いますが、笑顔も実は免疫力を高める効果があります。そしてストレスの解消にもなります。

当院のチームスタッフは笑顔で患者さんをお迎えしています。歯医者さんに行くのが嫌だと思っていても、笑顔で迎えてくれる医院には、子供たちは嫌がることなく来てくれます。まずは笑顔でお迎えすることで、互いの心を通わせ、少しでも前向きに治療に取り組んでもらいたいと思っています。

被災地で避難所生活をされている方々や、生活で不便を余儀なくされている方々が、少しでも早く満天の笑顔になれるよう、心から願っています。

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